ハイエースの広い室内は最高ですが、夏場のあの「じりじりした暑さ」だけは、どうにも耐えがたいものがあります。エアコンを強めても、頭の上から熱気が降り注いでくるような、独特の不快感。雨が降れば降ったで、トタン屋根の下にいるような激しい音が響き渡ります。
仕事でも遊びでも頼りになる相棒だからこそ、この「商用車感」をなんとかしたいと、オーナーなら一度は思うはずです。
3つある秘策のうちの1つ、天井の攻略
今回、私たちが着手したのは天井の内側をすべて剥がして施工するデッドニングです。シリーズで紹介する3つの手法のなかでも、最も「やってよかった」という声が多いのがこの場所。
実は、天井を剥がしてみると驚くほど薄い鉄板が剥き出しになっています。これでは外の熱も音も素通しなわけです。ここに魔法を仕込んでいきます。
遮熱と防音、実はダブルで効いてくる
デッドニングというとオーディオ好きのこだわりだと思われがちですが、天井に関しては少し意味合いが異なります。 もちろん音も良くなりますが、本当に素晴らしいのは「遮熱」と「雨音の軽減」です。
夕立の激しい音が、施工後は「トントン」という柔らかい響きに変わる。 真夏の直射日光の下でも、天井からの熱気が明らかに和らぐ。 この変化は、実際にハンドルを握っているときに最も強く実感できるはずです。
なぜ、ただのシートを貼るだけで変わるのか
理由はシンプルで、鉄板そのものの振動を抑え込み、さらに熱の伝導をシャットアウトする層を作るからです。 重みのある制振材を等間隔で貼り付けることで、薄い鉄板特有の「鳴り」を止めます。その上から断熱性能に優れた素材を重ねていく。
この二段構えが、外気の影響を最小限に抑えてくれます。 実際に作業をしてみるとわかりますが、施工前と後で天井を叩いた時の音が全く別物に変わります。空き缶を叩くような軽い音から、分厚い壁を叩くような鈍い音へ。これが静寂の正体です。
読み終えたときに手に入るもの
この記事を最後まで見ていただければ、自分のハイエースがどれほど快適なプライベート空間に生まれ変わるか、そのイメージがはっきりすると思います。
ここでは、天井デッドニングがもたらす圧倒的な静寂と、冷房の効きが良くなる実利をストレートにお伝えします。
施工したその日から、家族の会話が弾む
作業を終えて内張りを戻し、走り出した瞬間に気づくはずです。 ロードノイズが消えたわけではないのに、車内がしんと静まり返っている不思議な感覚。 雨の日の高速道路でも、後ろの座席の子供たちと声を張り上げずに会話ができる。 そんな、これまでのハイエースにはなかった「贅沢な時間」が手に入ります。
一度この快適さを知ってしまうと、もう元の「鉄板一枚」の状態には戻れなくなるかもしれません。